ブログをご覧いただきありがとうございます。今日はカウンセラー向けの記事になります。
カウンセラーにとっての患者さんやクライアントは、通常「悩みを解決したくてカウンセリングに訪れる」ことが一般的です。そしてカウンセラーは「悩みを解決するためのアドバイスを行うこと」もよく知られていることかと思います。
カウンセラーは、悩めるクライアントさんに対して自らの知見や経験に基づき「あなたが悩んでいる原因は○○だから、解決には××が必要です。」「〇〇と考えるんじゃなくて、△△と考えましょう。」などとアドバイスを行い、
クライアントさんは「なるほど。うまくできるか分からないけど、やってみます!」と答える。
もちろん一筋縄にはいかないでしょうから、こういったやりとりが複数回なされるのはよくあることで、それでも3歩進んで2歩下がるように、クライアントさんの状況は少しずつですが前進していきます。それをカウンセラーも感じ取り、「カウンセリングがうまく行っているな」と思えて安心したり、カウンセラーの自信になったりするわけです。
しかしこのようなアドバイスや、認知行動療法が通用するのは、それまで正常な心理発達(乳児期⇒学童期⇒思春期⇒成人期)を進めてきた普通の人です。児童虐待の被害者のような重い問題、重い葛藤を抱える被虐者には通用しません。
クライアントが被虐者かどうかを、クライアント自身が語る場合と語らない場合があり、本人が語らない場合は、カウンセラー側に児童虐待の専門知識がない限り、見破ることは難しいことです。しかし被虐経験ありと打ち明けた場合でも、最初こそその悲惨な生い立ちを不憫に思って親身になって聴くことが出来ていても、それが10回、20回とカウンセリングを行っても、一向にクライアントに良い兆候が表れない状況が続くと、カウンセラーは焦ります。
「大変な子供時代だったといっても、もうずっと昔のことだろう?ここまで何度もカウンセリングをすれば、事態は好転していくはずなのに・・・」
「(パートを探して、DV夫と離婚するなど)現状を打開するための解決策は明快なのに、本人もそこは理解しているはずなのに、なぜ行動しない?」
「普通は、これくらい話を聴いてやれば、前に進んでいくはずなのに、なぜそうまで悲観的なままなのだ?」
人の話を聴くプロであるはずのカウンセラーですが、いつまで経っても良くならない、前に進まないクライアントに対して徐々にイライラしていってしまいます。
「分かってるのになぜやらない」
「もう本人に治す意志がないんじゃないか?」
「いい加減にしてくれ、いつまでも甘えているんじゃない」
「このクライアントはもうお手上げだ。それは私のせいではない!本人の問題だ!」
「このクライアントは発達障害に違いない!」
などと匙を投げてしまったり、本来カウンセラーが言うべきでないことを我慢できずに言ってしまったりします。
これは本当にカウンセラーとしてやってはいけない禁忌であります。
私も傾聴を学ぶ一人として、上記は禁忌と知りつつも、普通の心理発達を遂げた人が「上記のような心理状態」に陥ってしまうのもまた、普通であります。このようなことを発信する私も、人のことを言えた身分ではないのです。
そんなカウンセラーの憂鬱にお薦めな本を載せておきます。図書館にもあるかもしれません。
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