4つの虐待に隠れたもう一つの虐待

「虐待を受けた子ども」というイメージは、多くの場合、身体に痕が残っている子ども、学校に来られない子ども、食事を与えられない子どもではないでしょうか。

厚生労働省は児童虐待を、身体的虐待・ネグレクト・心理的虐待・性的虐待の4種類に定義しています。

〜厚生労働省HPより~

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/about.html

令和5年度(2023年度)の児童虐待相談対応件数(速報値・厚労省)では、心理的虐待が約13万5,000件(59.8%)と最多を占め、次いで身体的虐待が約5万1,623件(22.9%)、ネグレクトが約3万6,465件(16.2%)、性的虐待が2,473件(1.1%)となっています。

しかし、この4つのどれにも当てはまらないのに、深く傷ついている人がいます。正式な定義には含まれていないけれど、4つの虐待すべての根底にある、見えない虐待が確かに存在するのです。

それが「心理的ネグレクト」というものです。

目次

4つの虐待がなくても、心理的ネグレクトがあれば苦しい

身体的虐待もなかった。性的虐待もなかった。育児放棄もされていなかった。暴言を浴びせられた記憶もない。それなのに、どこかで生きづらい。

「安心」という感覚がわからない。実家に帰ると、なぜか苦しくなる。そういう人が少なくありません。

思い当たることが何もないのに苦しい。だからこそ「自分がおかしいのかもしれない」「弱いだけなのかもしれない」と、その苦しさを自分の欠陥として抱えてしまう。

これが、心理的ネグレクト単体で起きている場合の、典型的な姿です。「何かをされた」という記憶はない。

しかし「子供心に必要な栄養が届かなかった」という経験は、見えない傷として確かに残っている。その傷が、生きることへの漠然とした重さや、人といる場での緊張感として、日常に滲み出てきます。

心理的ネグレクトとは──衣食住があっても「心」が届かない

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

目次
閉じる