世間に紛れる不健全な二人組①——なぜ、似たような相手にばかり捕まってしまうのか

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二人組のかたち

世の中にはさまざまな二人組がいる。

意気投合した親友同士。

ボケとツッコミが絶妙な漫才コンビ。

精進し合うライバル同士。

正反対だからこそ補い合う夫婦。

健全な二人組は、互いの力を補い合い、引き出し合い、助け合う。共に過ごすうちに、相手の影響でそれぞれの世界が広がっていく。一人ではたどり着けなかった場所に、二人なら行ける。

お互いに「嫌だ」と言える、距離を取れる、別の人間関係を持てる。一緒にいて元気になり、離れていても安心していられる。相手の存在が自分を支える静かな前提になっている。互いの輪郭がはっきりした関係である。

しかし世間には、まったく逆の構造を持った関係ーー不健全な二人組が存在する。彼らは職場や、学校、近所づきあいなど、身近にある様々な人間関係の中に潜み、身近な日常のなかに紛れている。

面倒見のいい上司と、気弱な部下。

教室の中心にいる女子と、その取り巻き。

反論しない夫と、すべてを決める妻。

ママ友グループの中心と、その世話役。

世話を焼く側と焼かれる側がはっきりしていて、ありふれた組み合わせだ。「いい上司に恵まれた新人」「面倒見のいい先輩を慕う後輩」「仕切り上手な妻に支えられた夫」——最初は「お似合いだ」として周囲にほほえましく映ることさえある。しかし実態は世話を焼く側に主導権が集まり、焼かれる側がだんだん自分の輪郭を失っていく。片方がもう一方の選択肢を奪っていき、世界を狭めていき、自分なしでは立ち行かないように仕向けていく。やがて支配する側と支配される側の関係となる。一緒にいると消耗し、離れると不安にさせられる。

本稿ではまず、こうした二人組のどちら側に立つかを分けている「土台」、そしてその土台が家のなかでどう作られたのかを掘り下げる。家を出たあと、なぜそこから抜け出せず再び二人組に組み込まれるのか——その実情は次の記事で扱う。

健全な人間関係が築ける人の土台

不健全な人間関係を見ていく前に、まずはその対極にある健全な人間関係について確認しておきたい。

親との信頼が育つ

健全な家庭で育つと、人間関係を築く力の土台が、長い時間をかけて少しずつ身についていく。親と暮らす約20年のうちに、家のなかで何百回もの会話と問いかけを通じて、親が人間関係の基本を伝え続けるからだ。

子どもが、毎日学校や園から帰ってきて、その日の出来事を親に話す。嬉しかったこと、悔しかったこと、わからなかったこと——「今日こんなことがあった」と話す習慣が、家のなかにある。

例えば、幼稚園や小学校での喧嘩やきょうだい喧嘩の内容を親に話すと——

「それは怒れちゃうね、謝ってほしかったね」「その部分はあなたも良くなかった」「明日、こうやって話しかけてごらん」

幼心にある言葉にできないモヤモヤした気持ちを親に理解してもらって安心し、励まされ、建設的なアドバイスをもらう。

家庭で繰り返される言葉

いい人間関係がどんなものか。よくない人間関係とは具体的にどんなことか。様々な場面で何度も何度も根気よく教わる。

「『嫌だ』ってちゃんと言葉にしてみよう。言わないと相手にはわからないんだよ。」

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