自己肯定感はどこで決まるのか──4つの家庭を「空気の濃さ」で考える

「自己肯定感」という言葉はよく耳にするようになりましたが、「なぜ人によってこんなに差があるのか」というところまで、腑に落ちている人はそれほど多くありません。

自己肯定感の高さは、生まれつきの気質とか、本人の努力とかで決まるように思われがちですが、(それも決して間違いではないのですが)決してそれだけではありません。

育ってきた環境の中で、どれだけ「肯定される経験」を積んできたかによって、じわじわと形成されていくのです。

この記事では、世の中に存在する様々な家庭を4つのタイプに分けて、それぞれの「空気の質」を通じてイメージしてもらいたいと思います。自分が育ってきた環境はどのゾーンに近いか、あるいはいま関わっている誰かはどのゾーンにいるのか、考えながら読んでみてください。

目次

円の中に広がる「4つの世界」

ここに円のようなイラストがあります。その円の内側は3色のグラデーションになっています。

円の中心に近づくほど酸素濃度が高くなり、円の外側は大気圏外で、空気がない、と仮定しましょう。

この円の中に、世の中に存在するあらゆる家庭が分布しています。どのゾーンにいるかは、その家庭の「空気の質」──つまり子どもが毎日吸っている心理的な空気の質を表しています。

①黄色ゾーン──森林のような空気

黄色のゾーンは、酸素濃度が一番高いゾーンです。

「空気が美味しい」と感じて、思わず深呼吸したくなるような空間。森の中や、酸素カプセルの中にいるような感覚です。ここで暮らしているのを、仮に「欧米型家庭」と呼ぶことにします。

このゾーンの親は、子どもを一人の人格として尊重しています。わが子であっても、自分とは別の考えを持つ人間だということを、自然に受け入れています。

親の意見を優先することがあっても、「なぜそうなのか」をきちんと子どもに説明します。

子どもが納得する権利を認めているからです。親子で意見がぶつかった時も、子どもの気持ちを聞くことをやめません。

「ママはあなたと意見が違う。でも、あなたが自分の考えを持っていることは、素敵なことだと思う」──そういうマインドが根底にあります。

愛情表現を惜しみません。子どもの年齢に関係なく、日常の中で愛を伝えます。子どもが失敗した時は叱責よりも励ましを選び、次の挑戦への勇気を渡します。

このゾーンで育った子どもは、気持ちを否定された経験よりも、認められた経験の方が圧倒的に多いため、自己肯定感がとても高くなります。何かに失敗しても、心がすぐに回復する強さを持っています。

②水色ゾーン──都会の空気

水色のゾーンは、酸素濃度は普通です。

息をしていることをいちいち意識しない、当たり前の空気です。ここで暮らしているのが「日本型家庭」です。

このゾーンでは、親は子どもよりも自分の意見を優先しがちです。「子どもには分からない」「説明しても仕方ない」と、理由を省略することが多く、子どもが「なぜ?」と感じる場面でも、説明なしに話が進んでいきます。

愛情の深さは①「欧米型家庭」と変わりませんが、愛情表現は少なめです。そして子どもが大きくなるほど、愛情表現は減っていきます。

「みんなと同じにしなさい」という圧力が、①よりずっと強く働きます。個性より同調を求められる場面が多いため、成長するにつれて子どもは「ありのままの自分」を出すことを少しずつ控えるようになります。

それでも、子どもを大切に思う気持ちは①と遜色がない親がほとんどです。肯定される経験の方が多く積まれるため、自己肯定感は育まれていきます。

心は、普段は都会の空気を吸いながら、時に澄んだ空気を味わい、時に富士山頂のような息苦しさをかすめながら、また都会の空気へと戻っていく──そんな往復を繰り返しています。

③グレーゾーン──富士山頂の空気

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