「虐待を受けて育った人は、自分の子どもにも虐待をする」——この通説は、多くの虐待サバイバーを苦しめてきました。しかし、最新の研究はこの「世代間連鎖」が大きく誤解されていることを示しています。
前回の記事では、虐待連鎖の研究史をたどり、かつて7〜9割と言われた連鎖率が、実際には約3割(25〜35%)であることを解説しました※1。今回は、その「誤解」の核心に踏み込みます。
目次
第1章 ジュディス・ハーマンの言葉
児童虚待の研究者ジュディス・コルネリウス・ハーマンは、この問題について重要な言葉を残しています※2。要約すると、以下のとおりです。
非常に極端なケースにおいて虚待の生存者が自分の子を攻撃したり保護を放棄することはある。
しかし、圧倒的大多数の生存者は自分の子を虚待も放置もしない。
むしろ多くの生存者は、自分の子どもが同じ運命をたどることを心底から恐れ、その予防に心を禄いている。
本ブログもこの見解を支持します。虐待を受けたからといって、虐待する親になるわけではありません。
むしろ、自分の子育てに強い不安を抱えるという影響のほうが圧倒的に多いのです。
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