発達障害と間違われやすい被虐待児 

虐待を受けて育った子どもや、大人になった被虐者が「発達障害」と診断されることがある。

ADHDや自閉スペクトラム症という名前がつき、それに基づいた支援が組まれる。しかし、その診断が本当に正しいのか——立ち止まって考える必要がある場合がある。

先天的な脳の特性による発達障害と、不適切な養育環境によって生じた発達の遅れや行動の偏りは、外から見ると非常によく似ている。しかし、その原因も、必要な支援も、まったく異なる。

誤診が起こりやすい背景のひとつに、虐待を行う親自身の問題が周囲から見えにくいという事情がある。

ある臨床の現場では、軽度知的能力障害や境界知能領域にある親は、表面上の付き合いだけでは知的で社会的にも問題なく見えるため、家庭内の不適切な養育が長期にわたって見過ごされやすいと指摘されている。

結果として、虐待環境で生じた子どもの発達の偏りだけが学校や医療の場で「問題」として浮上し、発達障害の診断に結びつくことがある。

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